2011年9月28日水曜日

B787 Dreamliner

Boing 787 Dreamlinerはその名の通り、航空業界の「夢」を背負った、世界で最新の飛行機だ。
この新機種のStrong Pointはなんといっても、その経済性である。ボディーの素材の変更、主翼やエンジンの改良により、従来の旅客機の20%もの燃費効率性を上げたのだ。その結果として、同じ中型機であるB767よりも、継続飛行可能距離が30%上昇。距離にして15000kmも飛行可能になった。これは、従来ならば直通路線が不可能であった、日本からアメリカ東海岸まで飛ぶことができるようになり、Airlineにとって新路線の開設ができるようになったということである。
ボディーの素材が今まではアルミニウムが50%占めていたが、B787では東レの炭素複合素材を使用している。この、東レの炭素複合素材の特徴は、「軽くて、丈夫」である。重さは鉄の約1/4、強度は鉄の約10倍である。そのため、ボディーを接合するときのボルトの数が少なくて済み、その分さらに軽量が可能になったのである。また、強度が増すことによって、従来のボディーの強化部分の省略も可能になり客室の拡大につながった。さらに、この素材は金属ではないために錆びに強い耐性を持ち合わせる。つまり、今まで機体が金属だったために飛行中の旅客機内の湿度はできるだけ下げられていて、飛行機に長時間乗ると「喉がイガイガする」といった不快感があったが、B787ではそういった、客の不快感も無くすことができそうだということだ。

次に主翼でについてである。ボーイングの民間機事業部門のトップ、アラン・ムラーリーは以前、「絶対に主翼は外に出さない」と発言していた。アランがこう発言したのには、いくつか訳がある。まず、旅客機を作るうえで最も重要なのが「主翼」なのである。飛行機作りは主翼から始まるといってもよいほどだ。その部分を外にはだしにくいだろう。また、主翼を作るのには、独自の生産設備が必要になる。その生産設備を新しく作るには莫大なコストがかかるのだ。しかし、今回のB787で主翼のプロジェクトを任されたのは、なんと三菱重工だったのだ。主翼が従来のアルミやチタンなど金属製から、複合材に切り替わったことが、他社に任せるという決断を促したのだ。
さらに面白いことに、B787を制作するのに3つの日本の企業が携わっているのだ。
三菱重工、川崎重工、富士重工である。この3つの企業がB787に占める割合がなんと35%にも達し、自身の飛行機でありながら、割合がそのボーイングと同じに任されていているのである。これは、世界で最先端の技術が集めらたB787で、日本技術が世界に認められたことを意味する。非常に喜ばしい出来事だ。

次に、エンジンついては、もっともわかりやすい変化といえば「シェブロン」である。「シェブロン」とは新しいエンジンのエンジンカバーの後端に着けられた、騒音軽減するための「ギザギザ」である。この「ギザギザ」がエンジンから出る燃焼ガスを周囲の大気とうまく混合させ、騒音をかなりのレベルまで下げることに成功したのである。
また、B787では2つの企業のエンジンをB787を発注したAirline側が選択できるようになっている。一つは、General Electric 社製の「GEnx」とRolls-Royce社製の「Trent1000」である。この二つのエンジンは従来のものと比べ燃費効率が20%上昇したのである。ちなみに、エンジンにも炭素複合素材が使用されている。

次に、コックピットについて。 B787は新しい安全性を向上させた機材が搭載されている。"Head Up Display"と呼ばれる、従来の飛行機より大きくなったフロントガラスのディスプレイには、スピード、高度といったすべての情報が映し出されていて、パイロットが下を向かなくてもそれらの情報が目に入るように設計されている。さらに、B787の新しいコンピューターは、機体の異常を自ら探知しパイロットと整備士に伝えることができる。これにより、整備士の負担を減らし、整備時間の節約にもつながった。

そして現在、B787は全日空ではすでに路線に就航していて、2012年には日本航空でも就航を予定している。
この、新機体がこれから十数年は日本のAIRLINEの主役になるだろう。

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